CTによる精密診断

    目黒区、都立大学の歯医者、あさの歯科クリニック

    歯科治療を行う上で正確な「診査診断」を行うことは欠かせません。
    事前の診査診断が十分にできておらず、間違った認識のまま治療を行ってしまうと必要のない治療をしてしまったり、場合によってはより悪くしてしまうことも起こりえます。

    当院では、事前の診査診断をしっかり行うことを重要と考えているため、原因がしっかり特定できるまでは治療を行いません。

    もちろん、炎症や痛みを鎮めるための応急処置は行いますが、歯を削ったり神経を取るなどの治療は取り返しのつかない治療となるため、確実な原因が分かった状態で治療を開始させていただいております。
    治療の負担を最小限に抑え、また治療の効果をできるだけ長持ちさせる治療法を選択するためにも、事前にあらゆる可能性とリスクを把握したうえで万全の体制で治療を開始したいと考えておりますので、ご理解いただければと思います。

     

    歯科用CTとは

    歯科用CT

    CTとは、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)の略称で、コンピュータ処理により撮影データを3次元の立体画像として構築することで、骨の状態などを正確・高精度に診断できる装置のことをいいます。

    従来のレントゲン画像は、2次元の平面画像でしか歯や顎の骨の様子を見ることが出来ませんでしたが、歯科用CTを用いることで3次元の立体画像として情報を得ることが出来るため、歯や顎の骨の状態はもちろんのこと、神経や血管の位置なども詳細に把握することができるようになります。

    当医院では主に、親知らずの抜歯や歯周病治療、根管治療、歯根の破折の診断などに用いています。

     

    CTにより、本当の原因が解明できたケース ~根尖性歯周炎の患者さん~

    目黒区、都立大学の歯医者、あさの歯科クリニック

    以前、当院に「左の歯が痛い」という主訴で来院された患者さんがいらっしゃいました。
    その方は「左下の奥歯が叩くと痛い」とおっしゃっていたのですが、左下の歯を検査しても原因の特定が出来なかったため、ひとまずお薬を処方して炎症と痛みを抑える処置をいたしました。
    その後、詳しく検査をするためCT撮影を行って全体の検査を行ったところ、左上の歯が「根尖性歯周炎(歯の根の先に膿が溜まり、炎症が生じること)」を起こしており、それが原因で左顎全体に痛みを生じさせていることが解りました。

    患者さんはずっと「下の歯が痛い」とおっしゃって仰っていたので、下の歯のみを検査してCT撮影をしなければ、場合によっては抜かなくてもよい神経を抜いてしまっていたかもしれません。
    検査に少し時間はかかってしまいましたが、しっかりと原因を特定できたことで最小限の治療で済ませることが出来ました。

     

    このような診断に利用されます

    親知らずの診断

    親知らず

    親知らずの抜歯はしっかりと事前の診査診断を行わなければ血管や神経を傷つけてしまい、多量の出血や麻痺が生じる場合もあります。

    特に下顎の親知らずの場合、根の先が下顎の骨の中にある下歯槽神経という太い知覚神経の近くにあることが多いです。

    下歯槽神経が傷つけられると、下唇や下顎の皮膚、口腔内粘膜や歯茎が知覚障害を起こし会話や食事が上手にできなくなってしまうこともあります。

    レントゲン写真では、親知らずの歯がどのように顎の骨に埋まっているのか、神経が親知らずと接触しているかどうかの確認が正確に行えないため、CT撮影をして親知らずの埋まり方や歯根の形、神経や血管との距離など正確に診断する必要があります。

    また歯茎に埋まっている親知らずや横向きに生えている親知らずも根の先と下歯槽管が近接しているケースが多いため、抜歯の際にはCT撮影による事前の綿密な診査診断が必要です。

    ⇒親知らずの抜歯について

     

    歯周病治療

    歯周病治療

    歯周病は歯を支える顎の骨が溶けて破壊されていく病気です。
    顎の骨の状態をご自身で確認することは、通常できません。
    一般的には歯周ポケットの深さを測る検査によって歯周病の進行度合いを測定しますが、骨がどれぐらい無くなってしまっているのかまでは把握することができませんでした。

    しかし、CT撮影を行うことで骨がどの程度まで破壊されているのかを確認することが出来ますので、手術の必要性や抜歯の判断など、より的確な治療方針をご提案することが出来るようになりました。

    また、治療によりどのくらい骨が再生しているのかもCT画像で視覚的に確認することが出来ますので、行った治療がどのぐらい効果があったのか、治療後の評価もより的確に判断することが出来ます。

    ⇒歯周病治療について

     

    根管治療の診断

    歯科用CT

    歯の根の形はとても複雑で、曲がったり重なり合ったりしているため、従来のレントゲン写真では正確に歯の根の状態を把握することができませんでした。

    CT撮影を行うことで、さまざまな角度・断面から歯の根の状態を確認することが出来るため、根の先にある病巣はもちろん、神経の本数や根の先の形までしっかりと把握することができます。

    歯の根の状態を正確に捉えることで、治療の効率や精度をより高めることが出来ますので、良好な治療結果も期待でき、患者さんのご負担を減らすことが出来ます。

    根管治療は歯科医院では日常的に行われている治療ですが、実は歯科治療の中でも最も難しいと言われている治療です。東京医科歯科大学による調査によると、保険の根管治療の成功率は30%~50%ほどというデータも発表されています。

    当院では、CT撮影の他、拡大鏡を用いた精密治療を行うことで、たとえ保険治療であっても根管治療の成功率を上げられるよう努めております。

    ⇒根管治療について

     

    歯根破折の診断

    歯科用CT

    歯根破折とは、歯茎の中にある根の部分が折れてしまった状態のことを言います。
    主な症状としては、歯肉が腫れる、膿がでる、噛むと違和感があるといったものが現れます。

    歯根破折という言葉はあまり聞きなれない方も多いと思いますが、歯を失う原因として歯周病、むし歯に次ぐ3番目に多い原因とされており、頻繁に起こりうる可能性のある症状です。

    しかしながら、歯根破折は歯茎の中にある根の部分に起こる症状であるため、目で確認することが難しく、レントゲン写真であってもはっきりと診断することが困難です。

    このような歯根破折の診断には、CTによる精密診断が有効です。

    歯根破折してしまった歯を放置していると、炎症が起きて顎の骨を溶かしてしまう危険性もありますので違和感がある場合はなるべく早めに診断し、適切な対処をするようにしましょう。

     

    歯科用CT撮影の費用について

    保険適用

    料金:3割負担の場合 約4,000円(再診料・管理料等は除く)

    現在、下記の疾患に関わるCT検査は保険適用が認められています。

    • 埋まっている親知らずの抜歯
    • 難治性の根管治療の診断
    • 根分岐部病変を有する中等度以上の歯周病
    • 顎関節症や顎骨骨折 などの診断
    • 腫瘍等、病巣の広がりの診断
    • その他、従来のレントゲン写真での診断では診断できない病巣の広がり等を確認する必要性が認められる場合

     

    自費治療

    料金:10,000円(税込11,000円)※2回目以降の撮影は無料

    保険で認められていない撮影については自費治療となります。
    また、他院で治療予定の診断やセカンドオピニオンにおけるCT撮影も自費治療となります。

     

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